この記事では、現役屈指の実力馬であるクロワデュノール(くろわでゅのーる)についてご紹介します。
彼は父に偉大なキタサンブラックを持ち、その輝かしい才能を受け継ぎながら、自身の力で新たな歴史を切り拓いている一頭です。
- 無敗の3連勝で挑んだクラシックと、ダービーで見せた圧巻の二度目の栄冠。
- 主戦の北村友一(きたむら ゆういち)さんとの深い絆と、彼の精神的な強さ。
- 2026年大阪杯での父子制覇達成と、次走「天皇賞・春」への期待。
単なる「強い馬」というだけでなく、関わる人々の想いを背負って走る彼の魅力を、馬を愛するファンの視点からお届けします。
【戦績】ダービー制覇から大阪杯での父子制覇まで
クロワデュノールは、デビューから常に世代のトップを走り続け、古馬となった今もなお進化を続けています。
まずは、これまでの輝かしい歩みを振り返る競走成績表をご覧ください。
クロワデュノール競走成績一覧
新馬戦での衝撃的なレコードから2年――。
日本ダービー、そして大阪杯を制し、父キタサンブラックが歩んだ「最強への道」を自らの力で証明し続けています。
| レース名 | 日付 | 開催/R | 天気 | 距離/馬場 | 着順 | 騎手 | タイム | 勝ち馬(2着馬) |
| 大阪杯(GI) | 2026/04/05 | 2阪神4/11R | 晴 | 芝2000/良 | 1着🥇 | 北村友一さん | 1:57.6 | (メイショウタバル) |
| ジャパンC(GI) | 2025/11/30 | 5東京8/12R | 晴 | 芝2400/良 | 4着 | 北村友一さん | 2:20.9 | カランダガン |
| 凱旋門賞(GI) | 2025/10/05 | パリロンシャン/5R | 雨 | 芝2400/重 | 14着 | 北村友一さん | 2:30.8 | Daryz |
| プランスドランジュ賞(GIII) | 2025/09/14 | パリロンシャン | – | 芝2000/重 | 1着🥇 | 北村友一さん | 2:11.6 | (Daryz) |
| 東京優駿(GI) | 2025/06/01 | 2東京12/11R | 晴 | 芝2400/良 | 1着🥇 | 北村友一さん | 2:23.7 | (マスカレードボール) |
| 皐月賞(GI) | 2025/04/20 | 3中山8/11R | 曇 | 芝2000/良 | 2着🥈 | 北村友一さん | 1:57.3 | ミュージアムマイル |
| ホープフルS(GI) | 2024/12/28 | 5中山9/11R | 晴 | 芝2000/良 | 1着🥇 | 北村友一さん | 2:00.5 | (ジョバンニ) |
| 東スポ杯2歳S(GII) | 2024/11/16 | 5東京5/11R | 曇 | 芝1800/良 | 1着🥇 | 北村友一さん | 1:46.8 | (サトノシャイニング) |
| 2歳新馬 | 2024/06/09 | 3東京4/5R | 曇 | 芝1800/良 | 1着🥇 | 北村友一さん | 1:46.7 | (アルレッキーノ) |
クロワデュノールの物語は、2024年6月の新馬戦から始まりました。
東京芝1800mを1分46秒7という2歳レコードタイムで駆け抜け、一躍注目の的となりました。
その後、ホープフルステークスと日本ダービーを制し、世代の頂点へ。
フランス遠征での過酷な経験を経て迎えた、2026年4月の大阪杯。
そこでは、父キタサンブラックとのGI昇格後初となる親子制覇という、歴史的な瞬間を見せてくれました。
【性格】北村友一騎手が涙した「えらい馬」の素顔
クロワデュノールは、類まれな身体能力だけでなく、困難な状況でも最後まで走り抜く非常に真面目で強い心を持っています。
主戦を務める北村友一さんとのエピソードを中心に、彼の内面に触れる情報をまとめました。
精神面・性格に関するエピソード
類まれな身体能力を支えているのは、過酷な海外遠征をも糧にする精神的なタフさと、常に全力を尽くす実直な性格でした。
| 項目 | 内容・エピソード |
| パドックでの様子 | デビュー当初は幼い仕草を見せることもあったが、レースでは高い集中力を発揮。 |
| 精神的なタフさ | 凱旋門賞の過酷な重馬場やフランス遠征を経験し、全体的にボリュームアップして帰国。 |
| 信頼関係 | 北村友一さんが「本当にえらい馬。頭が下がる思い」と語るほどの献身的な走り。 |
クロワデュノールの性格を語る上で欠かせないのが、パートナーである北村友一騎手との深い絆です。
「クロワデュノールがダービー馬になれたことが何よりうれしい」 (2025年 日本ダービー勝利後 北村騎手の言葉)
北村さんは、自身の落馬事故による重傷から復帰した後、この馬と共にホープフルステークスを制し、劇的なダービー制覇を遂げました。
勝利の瞬間に見せた涙は、愛馬への深い信頼の証でもありました。
また、過密なローテーションとなったジャパンカップ(4着)の後も、北村さんは一貫して「本当にえらい馬です」と、最後まで全力を尽くす彼の健気さを称えています。
パドックでは時折「若さ」や「幼さ」を見せることもありますが、ゲートが開けば誰よりも一生懸命に走る。
そんなギャップのある実直な性格こそが、多くのファンを惹きつけてやみません。
\「本当にえらい馬」と愛される勇姿を手元に/
ダービーを制した際の記念グッズは、ファンならぜひチェックしておきたいアイテムです。
【プロフィール】基本情報と最新の動向
クロワデュノールは、その美しい青鹿毛の馬体と、520kgを超える力強い馬格で圧倒的な存在感を放っています。
まずは、彼の基本情報をまとめた一覧表をご覧ください。
クロワデュノールの基本情報
520kgを超える雄大な馬体に、父譲りの勝負根性――。
名門・斉藤崇史厩舎が送り出す「次代の王者」のプロフィールと、盾の戴冠を見据えた最新動向をまとめました。
| 生年月日 | 2022年3月21日 |
| 毛色 | 青鹿毛 |
| 馬主 | (有)サンデーレーシング |
| 調教師 | 斉藤崇史さん (栗東) |
| 生産牧場 | ノーザンファーム |
クロワデュノールは、北海道安平町のノーザンファームで誕生しました。
馬主はサンデーレーシングで、募集総額5,000万円という高い期待を背負ってのデビューでした。
管理するのは、名牝クロノジェネシスを手掛けた栗東の斉藤崇史調教師。
名門の英才教育を受け、その才能を開花させています。
名付け親の想い
クロワデュノール(北十字星)という名前は、実は父キタサンブラックだけでなく、母系のルーツにもかかっています。
母の父ケープクロス(Cape Cross)は「南十字星」を連想させる名種牡馬です。
「父の北」と「母父の十字」を掛け合わせ、さらに「北半球の頂点(北十字星=はくちょう座)」を目指すという、非常に緻密でロマンあふれるネーミングなのです。
【血統】父キタサンブラックの最高傑作候補
クロワデュノールは、国民的名馬である父キタサンブラックの血を継ぎ、欧州の重厚な母系を融合させたハイブリッドな血統背景を持っています。
その卓越したスタミナとスピードの源泉を、5代血統表で紐解いてみましょう。
クロワデュノール5代血統表
日本が誇るスピードとスタミナの結晶・キタサンブラックに、欧州の歴史ある名牝系が融合。
異色の背景が生んだ「ハイブリッドな血の爆発」を紐解きます。
| 1代(父/母) | 2代(祖父母) | 3代(曽祖父母) | 4代(高祖父母) | 5代 |
| 父:キタサンブラック | ブラックタイド | サンデーサイレンス | ヘイロー | ヘイルトゥリーズン |
| ウィッシングウェル | アンダースタンディング | |||
| ウインドインハーヘア | アルザオ | リファール | ||
| バークレア | バステッド | |||
| シュガーハート | サクラバクシンオー | サクラユタカオー | テスコボーイ | |
| サクラハゴロモ | ノーザンテースト | |||
| オトメゴコロ | ジャッジアンジェルーチ | オネストプレジャー | ||
| テイズリー | リファール | |||
| 母:ライジングクロス | ケープクロス | グリーンデザート | ダンジグ | ノーザンダンサー |
| フォーリンキャリア | サーアイヴァー | |||
| パークアピール | アホヌーラ | ロレンザッチオ | ||
| バリダレス | バリダー | |||
| ウッドライジング | ノミネーション | ドミニオン | デアリングドゥ | |
| リヴァーズメイド | パーシー | |||
| ボダム | バスティーノ | バステッド | ||
| クレイ | ムーヌ |
クロワデュノールの強さを支える血統の背景をまとめると、以下の3点に集約されます。
- 父キタサンブラック譲りの成長力:
イクイノックスを輩出した名種牡馬の「第4世代」として、血の爆発力を改めて証明。父より早い段階で完成を見せつつ、さらなる成長も期待できる血統です。 - 欧州の名牝系がもたらすスタミナ:
母ライジングクロスは英オークス2着の実績を持つ本格派。母系から受け継いだ豊かなスタミナは、ダービーや天皇賞・春(3200m)という過酷な舞台で最大の武器となります。 - 日欧の「ハイブリッド配合」:
日本が誇るスピードと欧州の重厚な底力が最高の形で結実。まさに「世界を見据える王者の血」といえる構成です。
- 父キタサンブラックとの比較
- スクロールできます
項目 父:キタサンブラック 子:クロワデュノール 示唆 3歳GI 菊花賞 ホープフルS・日本ダービー 父より早い段階で完成 大阪杯 1着(2017年) 1着(2026年) 史上初の親子制覇 天皇賞・春 1着(2016・17年) 2026年参戦予定 父子連覇への期待
【馬体の秘密】「黒」ではなく「青」
実はクロワデュノールの「漆黒の馬体」は、父譲りではなく、イギリスで活躍したお母さん(ライジングクロス)譲り。
父のスタミナと母のタフさが、この美しい青鹿毛に凝縮されているんです。
\競馬の歴史としての父の物語/
父キタサンブラックがどのような道を歩み、今のクロワデュノールへと血が繋がったのか。
その蹄跡(てきせき)を知ると、今の彼の走りがより一層感慨深いものになります。
【Q&A】クロワデュノールに関するよくある疑問
クロワデュノールについて、ファンの方が気になっているポイントを分かりやすくまとめました。
- 名前の由来は何ですか?
-
フランス語で「北十字星」を意味します。
父キタサンブラックの名前にある「北」の文字を連想させつつ、夜空でひときわ輝く星座のように、競馬界の主役となってほしいという願いが込められています。
- 脚質の強みはどこにありますか?
-
高い先行力と、直線で長く脚を使える「持続力」です。
新馬戦で見せた瞬発力に加え、大阪杯で見せたような、先行集団から自ら動いて勝ちにいく「横綱相撲」ができる精神的な強さが最大の武器です。
- 凱旋門賞での敗因は何だったのでしょうか?
-
17頭立ての大外17番枠という厳しい条件に加え、直前の降雨で馬場がさらに悪化したことが影響しました。
前に壁を作れず折り合いに苦労する形となりましたが、この海外遠征での経験が、帰国後の力強い馬体へと繋がっています。
クロワデュノールの基本データに続いて、ファンなら見逃せないのがその「圧倒的な走りの質」です。
好位からねじ伏せる「横綱相撲」の正体とは何なのか。
戦績だけでは見えてこない「脚質」の真髄については、こちらの考察記事で詳しくお届けします。

まとめ|クロワデュノール天皇賞・春でさらなる伝説へ
クロワデュノールの歩みは、常に挑戦の連続でした。
2歳王者として期待され、皐月賞での惜敗、そして日本ダービーでの劇的な復活。
さらには海を越えて凱旋門賞へ挑むなど、その一歩一歩がファンの心を熱くさせてくれました。
4歳初戦の大阪杯で見せた力強い走りは、彼が単なる「才能ある若駒」から、日本競馬を背負って立つ「真の王者」へと成長した証です。
次なる舞台は、父キタサンブラックが連覇を果たした思い出の地、京都競馬場での天皇賞・春です。
スタミナが問われる3200mという過酷な舞台ですが、苦楽を共にしてきた北村友一さんとのコンビなら、きっとまた私たちの想像を超える走りを見せてくれるはずです。
有馬記念のファン投票で56万票を超える支持を集めたように、彼は今や多くの人々に愛される存在となりました。
結果はどうあれ、一生懸命にターフを駆け抜ける彼の無事と健闘を、これからも温かく見守り、応援していきましょう。
北十字星の輝きが、春の京都でいっそう眩しく放たれるその瞬間を、今から楽しみにしています。
【応援のその先へ】一頭でも多くの馬が幸せな未来を歩めるように
ターフを一生懸命に駆け抜ける馬たちの姿は、私たちに言葉以上の感動と勇気を届けてくれます。
そんな彼らが現役を退いたあとも、穏やかで幸せな時間を過ごせる場所を守ることは、競馬を愛する私たちにできる大切な「恩返し」だと考えています。
一頭でも多くの馬が、輝かしいキャリアの先に、温かなセカンドキャリアを歩める未来を信じて。
この記事を通じて、引退馬支援の輪が少しでも広がることを心より願っています。
私たちにできる、小さくて温かい一歩を一緒に踏み出してみませんか?

走りの裏側にある「物語」もあわせてチェック
ターフで見せる懸命な走りには、それを支える確かなルーツと、日々の成長の記録が刻まれています。
当ブログの「お馬のデータ名鑑」では、脚質や戦術の基盤となる詳細な血統背景、そして心身の充実度を示す馬体重の推移などを網羅的にまとめています。
「なぜ、あの走りができるのか?」——その答えを紐解くための詳細なプロフィールは、こちらからご覧いただけます。
血統という物語を知ることで、彼らへの応援はもっと深く、熱いものに変わるはずです。

出典・参考文献
