ジュウリョクピエロの脚質は、芝では中団から後方で脚をため、直線で差す形が基本になっています。
ただし、デビュー当初から差し馬だったわけではありません。
ダート時代は好位から前で粘る競馬を見せていましたが、芝へ転向すると中団、さらに後方から末脚を生かす形へと位置取りが変化しました。
京都芝2000メートルでは中団から上がり34.0秒、忘れな草賞では後方から上がり最速タイの35.2秒、オークスでは中団後方からメンバー最速の33.1秒を記録しています。
本記事では、ジュウリョクピエロの通過位置や上がりタイムをもとに、基本的な脚質、ダートから芝での位置取りの変化、末脚の特徴について整理します。
この記事でわかること
- ジュウリョクピエロの基本的な脚質
- ダート時代と芝転向後の位置取りの違い
- 芝2000メートル戦からオークスまでの脚質の変化
- 上がりタイムから見える末脚の特徴
- 差し馬・追い込み馬のどちらに近いのか
- 複数レースから見えるジュウリョクピエロの脚質の強み
ジュウリョクピエロの脚質は?芝では差しが基本
ジュウリョクピエロの現在の脚質をこれまでの芝でのレース内容から見ると、中団から後方で脚をためて差すタイプと整理するのが分かりやすいでしょう。
芝転向後は、前半から積極的に先頭を取りに行くのではなく、道中では無理に位置を上げず、直線まで脚を残す競馬が続いています。
主な芝レースを整理すると、次のようになります。
| レース | 距離 | 主な位置取り | 上がり3F | 着順 |
|---|---|---|---|---|
| 3歳1勝クラス | 芝2000m | 中団 | 34.0秒 | 1着 |
| 忘れな草賞 | 芝2000m | 後方 | 35.2秒 | 1着 |
| オークス | 芝2400m | 中団後方 | 33.1秒 | 1着 |
3戦とも位置取りはまったく同じではありませんが、共通しているのは前半で無理に脚を使わず、後半に末脚を生かしていることです。
追い込み一辺倒のタイプではない
忘れな草賞では後方まで下げているため、「追い込み馬」という印象を持つ人もいるかもしれません。
ただし、芝転向初戦は中団から運び、オークスでも最後方ではなく中団後方の位置につけています。
そのため、現時点では必ず最後方まで下げる追い込み専用型ではなく、中団から後方で脚をためる差しタイプと見る方が実際のレース内容に近いでしょう。

「後ろから行く馬」というより、直線まで脚を残せる位置で運ぶ差しタイプと考えると分かりやすいですね。
ジュウリョクピエロの位置取りはどう変化した?
ジュウリョクピエロの脚質を見るうえで大きなポイントになるのが、ダート時代と芝転向後で位置取りが変化していることです。
デビュー当初は前方で運んでいましたが、芝へ移ってからは脚をためる競馬が中心になりました。
ダート時代は好位から押し切る競馬
デビュー戦となった阪神ダート1800メートルの新馬戦では、スタート後に好位へ取り付き、道中は3番手付近でレースを進めました。
そのまま前方で運び、最後まで脚色を大きく鈍らせずに勝利。
2着馬には0.6秒差をつけています。
この時点では「前につけて粘り込む」という形が、ジュウリョクピエロの競馬でした。
芝転向初戦では中団から差す形へ
3歳初戦となった京都芝2000メートルの1勝クラスでは、ダート時代とは異なる位置取りを見せています。
前へ行くのではなく中団で流れに乗り、道中は無理に動かず直線へ。
そこから上がり34.0秒の末脚を使い、芝転向初戦を勝利しました。
ここで初めて、「前で粘る」だけではなく、「脚をためて後半に使う」形がはっきりと見えてきます。
忘れな草賞ではさらに後方から運ぶ
続く忘れな草賞では、位置取りがさらに後ろになりました。
14頭立ての後方付近から運び、前半はポジションを上げずに待機。
4コーナーから徐々に進出すると、直線では上がり35.2秒のメンバー最速タイとなる末脚を使って差し切りました。
芝転向初戦で見せた「脚をためる競馬」が、より後方からでも成立したレースと見ることができます。
オークスでは中団後方からGI制覇
オークスでは18頭立ての16番枠からスタートし、中団後方の外目でレースを進めました。
道中は早めに位置を押し上げるのではなく、直線まで脚を温存。
最後の直線ではメンバー最速となる上がり33.1秒を記録し、ドリームコアとの接戦を制しました。
忘れな草賞のように極端な後方待機ではなく、中団後方から差し切ったことで、芝での位置取りにも幅があることを示した一戦です。
| 時期 | 主な位置取り | 脚質の変化 |
|---|---|---|
| ダート時代 | 好位 | 前で運んで粘る |
| 芝転向初戦 | 中団 | 脚をためて差す |
| 忘れな草賞 | 後方 | 後方待機から差し切る |
| オークス | 中団後方 | 直線勝負でGI制覇 |



ダート時代と芝転向後を並べると、「どこを走る馬なのか」が大きく変わっていることが分かりますね。
芝3戦から見るジュウリョクピエロのレース運び
芝転向後の3戦は、中団・後方・中団後方と位置取りこそ異なりますが、共通しているのは前半で無理に脚を使わず、後半勝負につなげている点です。
| レース | 位置取り | レース運びの特徴 |
|---|---|---|
| 3歳1勝クラス | 中団 | 馬群で脚をためて直線へ |
| 忘れな草賞 | 後方 | 勝負どころまで待って差し切り |
| オークス | 中団後方 | 無理に前へ行かず直線で末脚を発揮 |
ジュウリョクピエロの末脚は?上がりタイムから見る特徴
ジュウリョクピエロの芝での脚質を考えるうえでは、上がりタイムも参考になります。
芝転向後は3戦続けて、直線でしっかりと脚を使っています。
※上がり3ハロンとは、レース最後の600メートルを走ったタイムです。馬場状態やレース全体のペースによって数字の意味は変わるため、単純な時計だけで能力を判断することはできません。
| レース | 上がり3F | 特徴 |
|---|---|---|
| 3歳1勝クラス | 34.0秒 | 中団から伸びる |
| 忘れな草賞 | 35.2秒 | メンバー最速タイ |
| オークス | 33.1秒 | メンバー最速 |
速い上がりを使えるだけではない
オークスの33.1秒という数字は目を引きますが、ジュウリョクピエロの特徴を「瞬発力だけ」と考えるのは少し違います。
京都芝2000メートルでは中団、忘れな草賞では後方、オークスでは中団後方と、それぞれ違う位置から最後まで脚を伸ばしています。
重要なのは、道中で脚をためたうえで、直線まで末脚を残せていることです。
そのため、現時点では一瞬だけ鋭く伸びる馬というより、レース前半の消耗を抑えながら終盤の脚につなげるタイプと見ることができます。
距離が延びたオークスでも末脚を使えた
芝転向後の最初の2戦は2000メートルでしたが、オークスでは2400メートルへ距離が延びました。
それでも最後に33.1秒の上がりを記録しています。
少なくともオークスでは、距離が延びても直線まで脚を残し、差す形を崩しませんでした。



上がり時計だけでなく、「どの位置から、どんな流れでその脚を使ったのか」を見ることが大切ですね。
レース内容から見えるジュウリョクピエロの脚質の強みを考察
ここからは、公開されているレース内容や位置取り、上がりタイムを比較した本記事での考察です。
ジュウリョクピエロの脚質で興味深いのは、単純に「後方から速い脚を使えること」だけではありません。
ポジションより「脚を残すこと」が軸になっている
芝3戦の位置取りは、中団、後方、中団後方と少しずつ違います。
もし特定の位置でしか力を出せない馬であれば、毎回ほぼ同じ場所から運ぶ必要があります。
しかしジュウリョクピエロは、芝転向後の3戦で位置を変えながら勝っています。
このことから、現時点では「何番手にいるか」よりも、「道中で無理をせず直線まで脚を残せるか」が重要なタイプと考えることができます。
ダート時代の先行経験も持っている
現在は差す形が定着していますが、ダート時代には好位から競馬をしています。
つまり、最初から後方待機しか経験していない馬ではありません。
芝では差す形が結果につながっているため、今の基本脚質を無理に変える理由はありませんが、過去に前方で運んだ経験がある点は、ジュウリョクピエロのレース歴を見るうえで興味深い部分です。
「追い込み馬」より「位置取りに幅のある差し馬」が近い
忘れな草賞だけを見ると、後方待機から差し切ったため追い込み型にも見えます。
しかし芝転向初戦は中団、オークスは中団後方です。
さらにダート時代には好位からの競馬も経験しています。
そのため現時点では、
中団から後方を基本にしながら、レースに応じて位置を変えられる差しタイプ
と整理するのが、これまでのレース内容には最も合っています。



「後ろならどこでも同じ」ではなく、その日の位置から直線まで脚を残せるところが、ジュウリョクピエロの脚質の面白さですね。
ジュウリョクピエロの脚質についてよくある質問
- ジュウリョクピエロの基本的な脚質は何ですか?
-
芝では中団から後方で脚をためて差す形が基本です。
芝転向後は中団、後方、中団後方と位置を変えながら3連勝しており、最後方に固定されるタイプではありません。
- ジュウリョクピエロは追い込み馬ですか?
-
忘れな草賞では後方から差し切っていますが、常に最後方から追い込む馬ではありません。
芝転向初戦は中団、オークスは中団後方から運んでいるため、典型的な追い込み馬というより差しを基本に位置取りの幅を持つタイプと見るのが自然でしょう。
- ダート時代も差し馬だったのですか?
-
いいえ。デビュー当初のダートでは、好位から前で運ぶ競馬を見せていました。
芝へ転向してから中団や後方で脚をためる形へ変化しており、路線変更とともにレース運びも変わっています。
- オークスではどのような脚質で勝ったのですか?
-
18頭立ての16番枠から中団後方で運び、直線でメンバー最速となる上がり33.1秒を使って差し切りました。
忘れな草賞ほど後方には下げず、脚をためながら直線勝負につなげたレースでした。
まとめ|ジュウリョクピエロは中団から後方で末脚を生かす差しタイプ
ジュウリョクピエロの脚質をこれまでのレース内容から見ると、芝では中団から後方で脚をため、直線で末脚を生かす差しタイプと整理できます。
デビュー当初のダートでは好位から前で運んでいましたが、芝転向後は中団、後方、中団後方と、位置取りを後ろへ変えながら3連勝しました。
芝転向初戦では中団から上がり34.0秒、忘れな草賞では後方から上がり最速タイの35.2秒、オークスでは中団後方からメンバー最速の33.1秒を記録しています。
これらのレースで共通しているのは、特定の位置にこだわることではなく、道中で無理に脚を使わず、勝負どころまで末脚を残していることです。
忘れな草賞では後方から差し切っていますが、毎回最後方に構えるわけではないため、典型的な追い込み馬というよりも、位置取りに幅を持つ差し馬と見るのが分かりやすいでしょう。
今後さらに経験を重ねるなかで、どの位置から自分の末脚を生かしていくのかにも注目したいですね。
【応援のその先へ】一頭でも多くの馬が幸せな未来を歩めるように
ターフを一生懸命に駆け抜ける馬たちの姿は、私たちに言葉以上の感動と勇気を届けてくれます。
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※本記事は、公開されている競走成績・レース内容・上がりタイムをもとに作成しています。「差しタイプ」「位置取りの幅」などには、複数レースを比較した筆者の考察を含みます。
出典・参考資料
- JRA「競走馬情報 ジュウリョクピエロ」
- netkeiba「ジュウリョクピエロ 競走成績」
【ジュウリョクピエロをもっと知ろう】
ジュウリョクピエロの気性や血統については、関連記事で詳しく紹介しています。













