現在、世界中の競馬ファンから最も熱い視線を注がれている一頭の馬がいます。
その名はカランダガン(Calandagan)。
2025年のジャパンカップにおいて、実に20年ぶりとなる外国調教馬による優勝を成し遂げ、日本中の馬好きたちを驚かせ、そして感動させてくれました。
- 世界レコードの衝撃:20年ぶりにジャパンカップを制した、驚異の2分20秒3。
- 去勢で開花した精神力:長距離輸送やトラブルにも動じない、「真の賢さ」。
- 名門アガ・カーンの結晶:ガリレオ系×ジンダーが織りなす、欧州王道の血統。
本記事では、単なる強さの指標としての数字だけではなく、彼がどのような道のりを歩み、どのような背景を持って世界最高峰の舞台に立ったのか、その魅力に迫ります。
衝撃のG1・5連勝!カランダガンの全戦績
カランダガンは、フランスから世界へと羽ばたき、異なる4カ国でG1を制覇するという、現代競馬の結晶のような歩みを見せています。
| レース名 | 日付 | 開催場 | 着順 | 騎手 | タイム | 備考 |
| ドバイシーマクラシック (G1) | 2026/03/28 | メイダン | 1着🥇 | M.バルザローナさん | 2:27.8 | G1・5連勝を達成 |
| ジャパンカップ (G1) | 2025/11/30 | 東京 | 1着🥇 | M.バルザローナさん | 2:20.3 | 芝2400m世界レコード |
| 英チャンピオンステークス (G1) | 2025/10/18 | アスコット | 1着🥇 | M.バルザローナさん | 2:03.1 | オンブズマンらを撃破 |
| キングジョージVI世&QE S (G1) | 2025/07/26 | アスコット | 1着🥇 | M.バルザローナさん | 2:29.7 | 仏馬として連覇達成 |
| サンクルー大賞 (G1) | 2025/06/29 | サンクルー | 1着🥇 | M.バルザローナさん | 2:28.2 | 悲願のG1初制覇 |
| コロネーションカップ (G1) | 2025/06/06 | エプソム | 2着🥈 | M.バルザローナさん | 2:36.2 | ヤンブリューゲルの2着 |
| ドバイシーマクラシック (G1) | 2025/04/05 | メイダン | 2着🥈 | M.バルザローナさん | 2:27.2 | ダノンデサイルの2着 |
| 英チャンピオンステークス (G1) | 2024/10/19 | アスコット | 2着🥈 | S.パスキエさん | 2:09.0 | アンマートの2着 |
| インターナショナルS (G1) | 2024/08/21 | ヨーク | 2着🥈 | S.パスキエさん | 2:04.5 | シティオブトロイの2着 |
| キングエドワードVII世S (G2) | 2024/06/21 | アスコット | 1着🥇 | S.パスキエさん | 2:29.1 | 6馬身差の圧勝 |
| オカール賞 (G3) | 2024/05/23 | パリロンシャン | 1着🥇 | S.パスキエさん | 2:27.4 | 重賞2連勝 |
| ノアイユ賞 (G3) | 2024/04/14 | パリロンシャン | 1着🥇 | S.パスキエさん | 2:13.5 | 重賞初制覇 |
| フランソワ・マテ賞 (OP) | 2024/03/16 | サンクルー | 2着🥈 | S.パスキエさん | 2:30.6 | 3歳始動戦 |
| モンテセザール賞 (未勝利) | 2023/10/31 | シャンティイ | 1着🥇 | S.パスキエさん | 1:55.1 | 待望の初勝利 |
| 未勝利戦 (デビュー戦) | 2023/08/12 | ドーヴィル | 3着 | M.バルザローナさん | 1:46.5 | この後、去勢される |
カランダガンの名を日本のファンに刻み込んだのは、何といっても2025年のジャパンカップです。
単勝1番人気のマスカレードボールとの激しい追い比べをアタマ差で制し、2分20秒3という驚異的なタイムでゴール。
外国馬による優勝はアルカセット以来20年ぶりで、まさに「世界最強」の力を日本のファンの前で見せつけた瞬間でした。
「20年ぶり」の奇妙な一致
2025年のジャパンカップで、カランダガンが20年ぶりに外国馬として優勝しましたが、実は20年前(2005年)の優勝馬アルカセットとの共通点があります。
2005年のアルカセットも、当時の日本レコード(2分22秒1)を叩き出して優勝しました。
そして20年後のカランダガンも、世界レコード(2分20秒3)を更新して優勝。
「20年周期で、欧州の怪物が日本のレコードを壊しにやってくる」という不思議な縁を感じさせるエピソードです。
カランダガンが見せた世界レコードの衝撃や、ドバイでの歴史的連勝。
その感動をさらに深く、そして形として残しておきたいファンの方へ、今読むべき1冊をご紹介します。
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3月28日のドバイシーマクラシックで見せた、驚異のG1・5連勝。
日本のファンを熱狂させたカランダガンの最新の走りが、早くも『優駿』4月号に速報として掲載されています。
世界一の称号を手にした王者の姿を、まずは最速のカラー誌面で目に焼き付けておきましょう。
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去勢で開花した「賢さ」カランダガンの性格
カランダガンが見せる驚異的なパフォーマンスの裏側には、若き日の決断と、それに寄り添ったスタッフさんたちの深い愛情があります。
| 特徴 | 内容 | エピソード |
| 環境適応力 | 非常に高い | 日本、ドバイへの長距離輸送後も動じない |
| レースの賢さ | 操縦性に優れる | 乱ペースや落馬などの波乱にも冷静に対応 |
| 精神面の変化 | 去勢を経て開花 | 2歳時のデビュー戦後に去勢(騸馬)を選択 |
| 信頼関係 | 騎手との呼吸 | 常にバルザローナさんのアクションに忠実に応える |
デビュー直後の2歳時、陣営はカランダガンを「去勢」するという大きな決断を下しました。
この経験が転機となり、無駄な体力の消耗を抑え、競走馬として非常に「賢い」精神力を手に入れたようです。
この「動じない心」こそが、世界を股にかけて活躍できる彼だけの大きな武器と言えるでしょう。
去勢のタイミングと「運命」
デビュー直後の2歳時、陣営はカランダガンを「去勢」するという大きな決断を下しました。
通常、これほどの素質馬は種牡馬(お父さん馬)としての価値を残すために去勢をためらうものです。
しかし、グラファール調教師は「この馬の才能をフルに発揮させるには、精神的な落ち着きが最優先」と即座に判断。
この「英断」があったからこそ、輸送やトラブルにも動じない、現在の「世界一賢い王者」が誕生したのです。
アガ・カーン殿下の至宝|プロフィール
カランダガンは、世界的な馬主として知られるアーガー・ハーン4世(アーガー・ハーン・スタッズ)さんが所有する、フランス調教の「世界王者」です。
| 項目 | 内容 |
| 生年月日 | 2021年1月27日 |
| 毛色 | 鹿毛 |
| 性別 | 騸(せん) |
| 馬主 | アーガー・ハーン・スタッズ(アガ・カーン・スタッズ)さん |
| 調教師 | フランシス・グラファールさん(フランス) |
| 生産牧場 | Haras de Son Altesse l’Aga Khan Scea(アイルランド) |
カランダガンという名前は、フィリピンにある島の名前に由来しています。
フランスの名将フランシス・グラファール調教師のもとで大切に育てられ、2025年には欧州の年度代表馬にあたる「カルティエ賞年度代表馬」にも選出されました。
「第45回ジャパンカップ(GI)において、外国調教馬として20年ぶりとなる勝利を挙げ、カルティエ賞の年度代表馬としての実力を国内外のファンに存分に示した」
出典:日本中央競馬会(JRA賞特別賞選考理由)
世界を旅するチームの深い愛情
2歳時から彼を支え続けてきたスタッフさんたちとの絆も、カランダガンの強さを支える大きな要因です。
日本への遠征中も、彼はフランスにいる時と全く変わらない様子でした。
本当に賢くて、自分をどうコントロールすべきか分かっているんです。
日本遠征時も、帯同したロベル助手さんはカランダガンの精神状態に太鼓判を押していました。
チーム・カランダガンの献身
- 24時間のケア:長距離輸送中も常にそばに寄り添い、ストレスを最小限に。
- 最高の仕上げ:フランスの名将グラファール調教師による、緻密なトレーニング。
- 信頼の絆:主戦のバルザローナ騎手とは、言葉を超えた意思疎通。
世界中のファンを熱狂させながら旅を続けるその姿は、まさに現代の「世界親善大使」。
チーム全員の愛情が、あの異次元の末脚を生み出しているのです。
馬名の由来:フィリピンの「秘境」
名前の由来である「カランダガン(Calandagan)」は、フィリピンのパラワン州にある小さな島、あるいはその周辺の美しい地名から取られています。
アガ・カーン殿下の所有馬は、伝統的に「C」で始まる名前や、特定の地域の地名から名付けられることが多いのですが、フィリピンの島名が選ばれたのは、彼の持つ「神秘的で美しい」イメージにぴったりだったからかもしれません。
ガリレオ系×ジンダー!欧州王道の血統
カランダガンの強さの源泉は、欧州の最高峰が凝縮された「スピードとスタミナの融合」にあります。
| 第1代 | 第2代 | 第3代 | 第4代 | 第5代 |
| 父 グレンイーグルス | 父父 ガリレオ | サドラーズウェルズ | ノーザンダンサー | ニアークティック |
| フェアリーブリッジ | ボールドリーズン | |||
| アーバンシー | ミスワキ | ミスタープロスペクター | ||
| アレグレッタ | ロンバード | |||
| 父母 ユアーズソートリリング | ストームキャット | ストームバード | ノーザンダンサー | |
| ターリングア | セクレタリアト | |||
| マライアズストーム | ラーイ | ブラッシンググルーム | ||
| イメンス | ロベルト | |||
| 母 キャラヤナ | 母父 ジンダー | グランドロッジ | チーフズクラウン | ダンジグ |
| ラパパゲーナ | ハビタット | |||
| シンタラ | ラシュカリ | ミルリーフ | ||
| シダマ | リュティエ | |||
| 母母 クラリン | アクラメーション | ロイヤルアプローズ | ワージブ | |
| プリンセスアテナ | アホヌーラ | |||
| クロドヴィナ | ロックオブジブラルタル | デインヒル | ||
| クロドラ | リナミックス |
【血統の注目ポイント】
- 父:グレンイーグルス
欧州の名馬ガリレオの直仔。スピード豊かなマイラーとして活躍した快速馬です。 - 母父:ジンダー
2000年の凱旋門賞馬。底知れないスタミナをカランダガンに伝承しました。 - 配合の妙
父方のスピードと母方のスタミナが融合し、日本の高速馬場にも対応する「万能な強さ」を生みました。
5代血統表の中に世界的な名馬たちが名を連ねるその姿は、まさにサラブレッドのロマンが詰まった一頭と言えるでしょう。
記録を保存する:優駿図鑑 伝説の名馬たち カランダガンのような歴史的名馬とともに語り継ぎたい一冊。
\【記録を保存する】血統のロマンをより深く知る一冊/
カランダガンの血統表に名を連ねるガリレオやジンダーなど、競馬史に輝く伝説の名馬たち。
彼らがどのような奇跡を起こしてきたのか、この図鑑でその歩みを振り返ることができます。
カランダガンという「現代の伝説」とともに手元に置いておきたい一冊です。
カランダガンQ&A|よくある疑問を解消
世界最強馬として注目を集めるカランダガンについて、ファンのみなさんが抱きやすい素朴な疑問をまとめました。
- 騸馬(せんば)になると、レースにどんな影響があるの?
-
気性が穏やかになり、無駄な体力の消耗が抑えられるメリットがあります。
カランダガンの場合、この「精神的な安定」が長距離輸送や日本の高速馬場への対応力に直結しました。なお、騸馬は種牡馬になれないため、彼は一生現役として走り続ける「生ける伝説」の道を歩むことになります。
- ジャパンカップの「世界レコード」ってどのくらいすごいの?
-
2025年に記録した2分20秒3は、それまで「不滅の記録」とも目されていた、あの名牝アーモンドアイのレコード(2分20秒6)を0.3秒も更新する異次元の数字です。
世界中の芝2400mのレースの中でも屈指の速さであり、欧州の重い芝だけでなく、日本の高速馬場にも完璧に対応できる「万能な能力」を証明しました。
- これからまた日本で走る姿を見ることはできますか?
-
2026年のドバイシーマクラシックを制した後の展望として、グラファール調教師さんら陣営は、ブリーダーズカップ・ターフやコックスプレート、そしてジャパンカップを次走の候補として検討していることを明かしています。
再び日本のターフで、あの力強い末脚を見せてくれる日が来るかもしれません。
驚異的なレコードタイムを叩き出し、ドバイでも圧倒的な強さを見せつけたカランダガン。
その強さの核心は、数字だけでは語りきれない「異次元の走り」に隠されています。
カランダガンの最大武器である「二段加速」のメカニズムや、どんな展開にも対応できる自在な脚質について徹底解説しています。
バルザローナ騎手との「無言の会話」や、強靭な馬体の秘密を知ることで、彼のレースが何倍も楽しく観られるようになりますよ!

まとめ|カランダガンが紡ぐ新たな伝説
カランダガンは、まさに国境を越えて愛される現代のヒーローです。
2025年のジャパンカップで私たちが目撃したのは、単なるタイムの速さだけではありませんでした。
異国の地で、空馬が走るという予期せぬトラブルにも動じず、最後まで真っ直ぐにゴールを目指したそのひたむきな精神力です。
去勢という試練を乗り越え、スタッフさんやバルザローナさんの手によって開花したその才能は、2026年ドバイシーマクラシックでのG1・5連勝という形で、今や「世界一」の称号を不動のものにしました。
かつての名馬たちが築き上げた偉大な記録を塗り替え、日本と世界の距離をぐっと縮めてくれたカランダガン。
その名前の由来である美しい島のように、彼はこれからもターフの上で私たちに輝かしい夢を見せ続けてくれるでしょう。
次に彼がどの国の、どのゲートに現れるのか、今はただ再会の日を楽しみに待ちたいと思います。
海を越えてやってきた一頭の「世界最強馬」が、再び日本の空の下でその力強い蹄音を響かせてくれることを願って。
これからも、みんなで温かくカランダガンを応援していきましょう。
【応援のその先へ】一頭でも多くの馬が幸せな未来を歩めるように
ターフを一生懸命に駆け抜ける馬たちの姿は、私たちに言葉以上の感動と勇気を届けてくれます。
そんな彼らが現役を退いたあとも、穏やかで幸せな時間を過ごせる場所を守ることは、競馬を愛する私たちにできる大切な「恩返し」だと考えています。
一頭でも多くの馬が、輝かしいキャリアの先に、温かなセカンドキャリアを歩める未来を信じて。
この記事を通じて、引退馬支援の輪が少しでも広がることを心より願っています。
私たちにできる、小さくて温かい一歩を一緒に踏み出してみませんか?

走りの裏側にある「物語」もあわせてチェック
ターフで見せる懸命な走りには、それを支える確かなルーツと、日々の成長の記録が刻まれています。
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出典・参考文献
