アスコリピチェーノ(あすこりぴちぇーの)は、その美しさと圧倒的なスピードで多くのファンを魅了している名牝です。
2023年にJRA賞最優秀2歳牝馬に選出されて以来、マイル路線を中心に世界のトップレベルで戦い続けています。
この記事では、純粋に彼女の歩んできた道や血統、そして彼女自身の個性を愛でる「馬紹介」として、その魅力を余すことなくお届けします。
- G1を2勝している類まれなる勝負根性と、阪神JFで見せたレコード勝ちの衝撃。
- 父ダイワメジャー、祖母に名牝リッスンを持つ至宝の血統背景。
- 国内外を問わず果敢に挑戦し続ける、凛とした競走生活の軌跡。
無敗の2歳女王から、サウジアラビアでの海外制覇、そして苦い敗戦。
波乱万丈な彼女の軌跡を深掘りします。
【気性】アスコリピチェーノの性格とレースへの影響
アスコリピチェーノは、精神面の安定感と、レースで見せる一瞬の爆発力が同居した性格を持っています。
| 項目 | 内容 |
| 評価(ポテンシャル) | 3.75(netkeibaユーザー評価) |
| 主な脚質 | 差し(中団から鋭く伸びるスタイル) |
| スター性 | 3.81(多くのファンに愛される存在感) |
デビュー戦からルメールさんに「いい瞬発力だった」と言わしめた通り、道中は中団でどっしりと構え、直線で外に持ち出すと他馬を圧倒する脚を使います。
一方で、2026年の阪神牝馬S後には「左臀筋群の硬化」が見られるなど、繊細な体調管理が必要な面もあります。
どんな状況でも懸命に走るひた向きさが、彼女の最大の武器であり、ファンが応援したくなる理由の一つです。
【戦績】無敗の女王から世界の舞台へ、栄光の記録
デビューから無敗で2歳女王に登り詰め、その後も世界の強豪と渡り合ってきた輝かしい戦績を振り返ります。
| レース名(格付け) | 日付 | 着順 | 騎手 | 距離 | タイム | 勝ち馬/2着馬 |
| 阪神牝馬S (GII) | 2026/04/11 | 10着 | 坂井瑠星 | 芝1600 | 1:33.2 | マスクトディーヴァ |
| マイルCS (GI) | 2025/11/23 | 7着 | ルメール | 芝1600 | 1:31.9 | ジャンタルマンタル |
| ジャック・ル・マロワ賞 (G1) | 2025/08/17 | 6着 | ルメール | 芝1600 | 計不 | Charyn |
| ヴィクトリアマイル (GI) | 2025/05/18 | 1着🥇 | ルメール | 芝1600 | 1:32.1 | (クイーンズウォーク) |
| 1351ターフスプリント (G2) | 2025/02/23 | 1着🥇 | ルメール | 芝1351 | 1:17.8 | (Vercingetorix) |
| ゴールデンイーグル | 2024/11/02 | 12着 | モレイラ | 芝1500 | 計不 | Lake Forest |
| 京成杯オータムH (GIII) | 2024/09/08 | 1着🥇 | ルメール | 芝1600 | 1:30.8 | (タイムトゥヘヴン) |
| NHKマイルC (GI) | 2024/05/05 | 2着🥈 | ルメール | 芝1600 | 1:32.8 | ジャンタルマンタル |
| 桜花賞 (GI) | 2024/04/07 | 2着🥈 | 北村宏司 | 芝1600 | 1:32.3 | ステレンボッシュ |
| 阪神ジュベナイルF (GI) | 2023/12/10 | 1着🥇 | 北村宏司 | 芝1600 | 1:32.6 | (ステレンボッシュ) |
| 新潟2歳S (GIII) | 2023/08/27 | 1着🥇 | 北村宏司 | 芝1600 | 1:33.8 | (ショウナンマヌエラ) |
| 2歳新馬 | 2023/06/24 | 1着🥇 | ルメール | 芝1400 | 1:22.8 | (レッドセニョール) |
表にある通り、彼女の戦績は常にハイレベルですが、特筆すべきは阪神JF。
1分32秒6という時計は、単なる勝利以上の衝撃をターフに刻みました。
データから見えるアスコリピチェーノの強み
輝かしい実績を支えているのは、決して偶然ではありません。
戦績表の行間から読み取れる、彼女が世界のトップレベルで戦い続けられる3つの決定的な強みを解説します。
- 驚異的な安定感と決定力
- 掲示板(5着以内)を外したレースは、体調不良が判明した阪神牝馬Sや遠征などの特殊条件を除けば極めて少なく、特に国内マイル戦では常にトップレベルのパフォーマンスを発揮しています。
- 掲示板(5着以内)を外したレースは、体調不良が判明した阪神牝馬Sや遠征などの特殊条件を除けば極めて少なく、特に国内マイル戦では常にトップレベルのパフォーマンスを発揮しています。
- コース不問の柔軟性
- 新潟の長い直線、阪神の急坂、そして東京の瞬発力勝負。あらゆるコース形態で重賞を制しており、適応力の高さが際立っています。
- 新潟の長い直線、阪神の急坂、そして東京の瞬発力勝負。あらゆるコース形態で重賞を制しており、適応力の高さが際立っています。
- 対ジャンタルマンタル・ステレンボッシュ
- 同世代の牡馬・牝馬のトップ層と常にしのぎを削り、僅差の勝負を繰り広げてきた背景がタイム指数からも読み取れます。
【プロフィール】アスコリピチェーノ基本情報と管理陣のこだわり
アスコリピチェーノを支えるのは、日本屈指の生産牧場と、彼女の素質を信じて磨き続ける管理陣です。
| 生年月日 | 2021年2月24日 |
| 毛色 | 黒鹿毛 |
| 馬主 | (有)サンデーレーシング |
| 調教師 | 黒岩陽一さん(美浦) |
| 生産牧場 | ノーザンファーム(安平町) |
馬名の意味は「イタリアの都市名」。
サンデーレーシングで1口60万円(40口募集)という期待の高さで送り出されました。
黒岩陽一調教師のもと、2歳時から完成度の高い走りを見せ、獲得賞金は5億8,000万円を突破しています。
募集時から注目されていたエリートが、その期待に違わぬ成果を出し続けている点に、陣営のたゆまぬ努力が感じられます。
実は「おっとりさん」?
レースでは猛烈な末脚を見せますが、厩舎(馬房)では非常におっとりとした性格で、人懐っこい一面があります。
この「普段のリラックス」と「レースでの爆発」のメリハリこそが、長距離輸送や海外遠征(サウジアラビア等)でも体力を削られない、彼女の最大の武器(精神力)です。
\彼女が育った環境を見てみたい/
彼女のような名馬たちが、どのような環境で育ち、日々トレーニングに励んでいるのか――。
馬ファンなら一度は訪ねてみたい「聖地」を、ふるさと納税を通じて体験できる特別な機会もあるようです。
【血統】ダイワメジャー産駒の傑作、その背景
父ダイワメジャーのスピードと、母系から受け継いだ底力がアスコリピチェーノの強さの根源です。
| 1代 | 2代 | 3代 | 4代 | 5代 |
| ダイワメジャー | サンデーサイレンス | Halo | Hail to Reason | Cosmah |
| Wishing Well | Understanding | |||
| スカーレットブーケ | ノーザンテースト | Northern Dancer | Lady Victoria | |
| スカーレットインク | Crimson Satan | Consentida | ||
| アスコルティ | Danehill Dancer | デインヒル | Danzig | Razyana |
| Mira Adonde | Sharpen Up | Lettre d’Amour | ||
| リッスン | Sadler’s Wells | Northern Dancer | Fairy Bridge | |
| Brigid | Irish River | Luv Luvin’ |
父はマイルG1を5勝した名馬ダイワメジャー。
母の父Danehill Dancer、祖母に英G1勝ち馬のリッスンという世界的な良血です。
Northern Dancerの4×5×4というクロスを持ち、スピードとパワーの完璧なバランスを実現しています。
血統のポイントと分析
アスコリピチェーノの爆発的なスピードとタフな持続力は、決して偶然の産物ではありません。
その血統構成を深く読み解くと、日欧のトップサイヤーたちが緻密に計算されて配された、まさに「走るべくして生まれた」背景が見えてきます。
- サンデーサイレンス 2×4
- 父方の祖父サンデーサイレンスを3代目に配置。日本競馬の黄金配合が生むスピードと勝負根性を継承しています。
- 父方の祖父サンデーサイレンスを3代目に配置。日本競馬の黄金配合が生むスピードと勝負根性を継承しています。
- Northern Dancer 4×5×4
- 母方のデインヒル、Sadler’s Wells、父方のノーザンテーストを経由して、強固な持続力とパワーを補完しています。
- 母方のデインヒル、Sadler’s Wells、父方のノーザンテーストを経由して、強固な持続力とパワーを補完しています。
- 名牝系の融合
- 父はダイワスカーレットを輩出したスカーレットインク系、母方は欧州G1馬リッスンを含むLuv Luvin’系。日欧の超一流牝系が交差した、マイル~中距離での爆発力を秘めた構成です。
馬名の「アスコリピチェーノ」は、イタリアにある「100の塔を持つ街」が由来。
その名の通り、マイル界の頂点にそびえ立つ存在へと成長しました。
性格は普段は非常におっとりしていますが、レースで馬群に入ると父ダイワメジャー譲りの「闘争心」にスイッチが入る、まさに才色兼備な名牝です。
\アスコリピチェーノがターフに刻む『至宝』の軌跡/
その凛々しい姿を、手元で応援できるアイテムも人気を集めているようです。
【Q&A】アスコリピチェーノファンが気になる質問
2歳女王の現在地や、これまでの戦いの中で生まれた疑問についてお答えします。
彼女への理解をより深めるためのヒントとして、ぜひチェックしてみてください。
- 2026年4月の阪神牝馬Sでの敗因は何だったのでしょうか?
-
レース後の精密検査の結果、左臀筋群(お尻の筋肉)に硬化が見られたことが発表されました。
勝負どころで反応がなかったのは、体調面の影響が大きかったようです。
- 主戦騎手は誰ですか?
-
デビュー戦やG1制覇時はルメールさんが騎乗しており、2歳時の重賞制覇や阪神JFでは北村宏司さんが手綱を握りました。
- アスコリピチェーノの最大の武器は何ですか?
-
マイル戦(1600m)における圧倒的な瞬発力です。
特にヴィクトリアマイルで見せた、馬群を割って伸びてくる根性はファンを熱くさせました。
アスコリピチェーノの輝かしい実績の裏側には、彼女にしか成し得ない「独自の走りのリズム」が存在します。
以下の記事では、名手たちが絶賛する圧倒的な瞬発力の正体や、レース展開を読み解く「脚質」の秘密をさらに深く考察しています。

まとめ|次世代へ繋ぐアスコリピチェーノの価値
アスコリピチェーノがこれまでに見せてくれた数々の力走は、私たち競馬ファンに多くの感動と勇気を与えてくれました。
2歳女王としての誇りを持ち、どんなに厳しい環境でも前を向いて走る彼女の姿は、まさにダイワメジャー産駒の最高傑作の一頭と呼ぶにふさわしいものです。
現在は体調を整える時期にありますが、彼女が再びターフを力強く駆け抜ける日を、ファンは温かく待ち望んでいます。
たとえいつか現役を退く日が来たとしても、その血は次世代へと受け継がれ、彼女に似た輝く瞳を持つ子供たちがまた私たちを魅了してくれることでしょう。
今はただ、彼女が健やかに過ごせることを願い、精一杯の「ありがとう」と「頑張れ」を送り続けたいと思います。
これからもアスコリピチェーノから目が離せません。
【応援のその先へ】一頭でも多くの馬が幸せな未来を歩めるように
ターフを一生懸命に駆け抜ける馬たちの姿は、私たちに言葉以上の感動と勇気を届けてくれます。
そんな彼らが現役を退いたあとも、穏やかで幸せな時間を過ごせる場所を守ることは、競馬を愛する私たちにできる大切な「恩返し」だと考えています。
一頭でも多くの馬が、輝かしいキャリアの先に、温かなセカンドキャリアを歩める未来を信じて。
この記事を通じて、引退馬支援の輪が少しでも広がることを心より願っています。
私たちにできる、小さくて温かい一歩を一緒に踏み出してみませんか?

走りの裏側にある「物語」もあわせてチェック
ターフで見せる懸命な走りには、それを支える確かなルーツと、日々の成長の記録が刻まれています。
当ブログの「お馬のデータ名鑑」では、脚質や戦術の基盤となる詳細な血統背景、そして心身の充実度を示す馬体重の推移などを網羅的にまとめています。
「なぜ、あの走りができるのか?」——その答えを紐解くための詳細なプロフィールは、こちらからご覧いただけます。
血統という物語を知ることで、彼らへの応援はもっと深く、熱いものに変わるはずです。

出典・参考文献
